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書籍名 『オープンソースじゃなきゃ駄目』 [amazon.co.jp で検索]
出版社名 株式会社イデア出版局
著者名 湯澤 一比古
[001] 2004/12/16 14:16:40 三田 守久
 著者はニュートーキョーのシステム室に勤務しておられるかたである。ニュートーキョーにおける受発注システムをオープンソースのソフトウェア「セルベッサ」として世に問うたことで広く知られている。業務アプリケーションをオープンソースにする、という発想はいまでこそ珍しくないが、発表当時はかなり注目を浴びたものと思う。わたし自身もこの記事を目にしたときには大いに関心をもち、また感心したことも覚えている。

 この本は、冒頭にも書いてあることだが、いわゆる大手出版社とは異なるところで出版された。原稿から完成まで1ヶ月、2ヶ月という時間で終わらせてしまうという離れ業でできたものらしい。それを企画したのが高橋正視氏である。

 つまり湯澤氏、高橋氏の協働作業がこの本を作らせたということのようである。

 この本は、湯澤氏のユーザとしての経験とオープンソースソフトウェアに関する知見を、易しく(そして優しく)記述したものである。

 湯澤氏は、今後のソフトウェアはすべからくオープンソースにするのがいいのではないかと思っているらしい。そうでない場合でも、いったんオープンソースでどうか、と吟味、評価したあとにどうしても「クローズ」にするならそれはそれいいが、とも言っているように思う。したがって表題どおり、オープンソースのお薦め本である。

 また湯澤氏は、一方でSI企業というかベンダーに対して、「もうすこししっかりしろ」ときびしいこともおっしゃりたいらしい。

 ソフトウェアがオープンソースになったら、ソフトウェアの技術屋さんたちはいまのような単なる「人月」単位でするしごとをほんとうの「しごと」と思っているとみんな失業してしまうぞ、もっと付加価値の高いしごとをしていくようにしていかないとなあ、と独特な語り口で穏やかながらもおっしゃっている。

 さらにさらに、湯澤氏はメーカもベンダーも、いかに信用のならない存在であるか、したがってユーザ自らよく考えてつきあうべきだ、ということもあわせて言っているところをみると、ユーザに対して自ら姿勢を正せ、ということも言っているらしい。

 結局、物柔らかな言いかたながら、ユーザ、ベンダー(SI企業も含めて)双方に、これから始まるオープンソース時代を「しっかり乗りきれよ」と励ましてくれている、というのがこの本の真骨頂なのだろう。

 急いで出版にこぎつけたせいか、随所に「バグ」が存在しているが、企画担当の高橋氏の言を借りれば、「この本自体がオープンソースなので、みなさんしっかりなおしてほしい(なおす作業に参加してほしい)」ということらしい。

 ま、文庫本128ページ、500円ならいいか。
 書店では在庫切れのようなので、直接高橋正視氏にお願いするのが手っ取り早く入手できる手だてかもしれない。

 今回は「太鼓持ち」をしました。

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