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書籍名 オートポイエーシスの世界 ー新しい世界の見方− [amazon.co.jp で検索]
出版社名 近代文芸社
著者名 山下和也
[001] 2005/01/23 10:00:50 山田博英
数年前にオープンテクノロジーの三田さんがオートポイエーシスなんていうものがあるらしいと言い出して、Swimyでもautpというサブメールを作って勉強しだしたのですが、その過程でいろいろ読んでいたものはまるで巨像の尻尾を撫でているようなもので、みんな部分的な解説の感じがありました。そのため全体像が良く分からず、勉強会の参加者はみんなてんで勝手な方向でそれを理解しようとしていたと思います。この本はそのような断片的な解説とは違って、オートポイエーシスからルーマンの社会システム論までを一つの全体モデルとして描き出している、極めて優れた著作と感じます(このような著作は世界を探してもないのではないか、との直感を持ちます)。

著者も書いているように、オートポイエーシスというのは今までの常識で解釈することは全く出来ないと僕も感じていたのですが、そのような世界を理解するためには常識的な世界の見方とは違っている、何か雛形のたたき台みたいなものを見つけて、そのイメージに照らして読むのが有効なきがします。僕自身はそれをエンゲルバートのABCモデル( http://home.m04.itscom.net/hhomey/engelbart2.html の図2)に照らして読んでいるのですが、この本で言われていることがびんびんと響くのです(こういうのを構造的カップリングというのだろうか?)。今後はこの関係をもっとつめて考えて見たいと思うのですが、著者が最後のところで;
「もともと科学から生まれたオートポイエーシス論は、何ら神秘めかすことなく、これら(今まで魂とか心とかいうように神秘的にしか説明できなかった事柄ーhy)について統一的に語ることができ、そのためのまったく新しいカテゴリーを提供します」
といわれていますが、そのとうりだと理解できると同時に、その延長線上に今日我々の産業界や企業をとりまく環境の変化に対応するための経営モデル論とか組織モデル論とかができるような気がしています。その手がかりは僕にとってはオートポイエーシスシステム論とエンゲルバートのABCモデル論を繋げて我々の現場へと持ち込むことだと考えています。そんなことを考えながら飛び交う情報を観察していて、最近ルーマンのコミュニティー(米国)の議論の中にはエンゲルバートの話がちらちら出るようになってきていますが、エンゲルバートのコミュニティーにオートポイエーシスの話は全くなく、僕がちゃちゃを入れてもシーンとして誰も反応しません。今度エンゲルバートの80歳の誕生日を記念した会に参加する機会を得たので、このことに彼のコミュニティーがどう反応するのか、できたらなんとか繋げる手がかりをつくりたい、と期待しています。

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