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書籍名 『模倣される日本 --- 映画、アニメから料理、ファッションまで』 --- [amazon.co.jp で検索]
出版社名 祥伝社
著者名 浜野 保樹
[001] 2005/04/11 16:40:11 三田 守久
 題名から受けるほどには日本礼賛ではない。

 内容的には、いかに多くのものが日本発の文化的なネタとして世界に供給されているかが書かれてはいるものの、日本もまたずいぶんと海外を模倣してきたかについても、ほぼ同じ程度(かもっと多くの紙面を割いて)記述している。

 基本的には、自国の文化に対してもって目を向け、たいせつにしようではないかのスタンスだが、もっといえば、世界の文化の歴史は相互に模倣した結果であって「模倣」そのものを取り上げること自体がナンセンスと言っているようにも思う。

 福沢諭吉が一種の「西洋かぶれ」として描かれているのは、そうか、と新鮮な感じもしたし、なるほどと妙に納得した。文中、アン・モロー・リンドバーグの本や言動の紹介には共感した。例の(大西洋無着陸飛行の)リンドバーグの妻である彼女は、1931年に夫の操縦する飛行機で日本(根室)に着いたのだそうな。1ヶ月ほど日本に滞在したおりの経験を後日『海からの贈りもの』として著わした。著者は、

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 『海からの贈りもの』は、「シンプルな暮らしがしたい」とするアンの宣言書でもある。
 「外面的な暮らしをするだけでは足りない。外面は外面にすぎないが、わたしはそこからはじめてみようと思う」

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という部分を紹介している。たった1ヶ月の滞在で、かなり本質をついた印象を日本で得たのだなあ、と感心した次第。

 わたしは日本は、世界の「文化の玉手箱」と思っているので、世界が模倣する、という記述の部分では、そうだ、と思い、逆の部分では(つまり日本が模倣している、という記述部分では)、そう考えないとバランスが悪いな、思いつつ読み進んだ。

 同じようなタイトルで『21世紀、世界は日本化する』(日下公人)という本がでているが、こちら(浜野氏の著作)のほうがやや「抑制的」か。

[002] 2005/04/11 17:57:56 松田修
三田さんの上記の書評で思い出したのですが、ここ1世紀ほどでしょうか、世界中で若者や学生が諸外国へ留学して学習していますね。あのシステムはやはり「遣隋使」「遣唐使」から生まれたものではないでしょうか。 その日本独自のシステムを「模倣」しながら「日本は外国の真似ばかりしている」と日本を揶揄したり、バカにする近隣諸国がありますね(と日下公人流に抑制しないで表現しておきます)。
[003] 2005/04/17 19:09:40 三田 守久
 アン・モロー・リンドバーグの著書『海からの贈りもの』を購入して読んでみた。実際の読んでみると、「日本を訪問した結果、シンプルな生活がしたい」というような結論を得た、というわけではないらしい。そのような記述はない。シンプルに、というのはたしかに日本人の精神に通ずるとは思うが、、、。

 女性の著作を読むのはペースに乗るのに時間がかかる。『海からの贈りもの』もそういう思いをしながら読んでみたが、最後のほうになってようやくリズムに乗れてきた感じがする。

 この本(『海からの贈りもの』)はアメリカに限らず日本でもかなり売れたようで、わたしが購入した本は32刷というからたいへんなものだ。女性の主張、ということなのだろう。

 われわれ男性からみても印象的に感じる表現も随所にあるが、

<未来への競走をしている内に、現在=「いま」は見すごされ、自分から遠く離れた「どこか」のために、自分がいる「ここ」は見すごされ、個人は多数派の悪によって凌駕されている。>

という部分は、1955年に書かれたものと思うが、いまでもじゅうぶんに通用する主張だと思う。

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