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書籍名 日本はなぜ敗れるのか [amazon.co.jp で検索]
出版社名 角川Oneテーマ21
著者名 山本七平
[001] 2005/09/28 22:11:14 山田博英
 この本は陸軍専任嘱託としてフィリピンへ派遣された故小松真一氏が戦場の日常を書きとめた手記を山本七平が解説している本で、深い沈黙へ向わせられる。
 大戦を敗戦に向わせた力は現在も依然として存在している、と山本七平はいう。そして戦争の現場で彼等が見て取ったことと同じ状況の中に現代の僕等も置かれている気がする。

 人は皆一つの日常性のもとに生きている。その時、ある力で「日常性という現実を意識させないこと」が逆に一つの通常性になっているため、自分が本当に生きている「場」を把握できなくなっている状態、これが日本を敗戦に導いた一つの大きな原因だ、という。簡単に言えば、自分の実態を意識的に把握していないから、「はじめから無理な戦い」が出来るのだ。その様なことは今の僕等の周りにはざらにあるのではないだろうか。例えば、差別用語を禁止することで差別がないことにする、とか、ゆとり教育をすることによってゆとりのある子供が育つ、といったことはまさにそのような状態をつくることなっているのではないだろうか。もしそうであれば現代にも日本を敗戦に導いたのと同じ「力」が働いていることになる。山本七平はその力の源を「フリートーキング」のなさ、「真の自由の談話の場のなさ」だという。「フリートーキング」の意味は僕等が普通に使う意味とは違って、もっと深い意味なので、ぜひ本書を読んでいただければと思います。

 

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