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書籍名 日本を滅ぼす経済学の錯覚 [amazon.co.jp で検索]
出版社名 光文社
著者名 堂免信義
[001] 2005/10/16 21:51:29 神谷 英一郎
軽装本で、書名もいかにも軽チャー的ですが、中身はなかなか面白い。
昔大学で経済学を齧ったはずの私ですが、前々から「貯金というのは、いったい何を貯めているのだろう」と疑問に思っていました。それがこの本でかなりすっきりしました。
ケインズが立論した「貯蓄=投資」という式を「貯蓄が投資の原資である」と解釈している現代経済学の常識は天動説であって、正しくは「(借金=銀行の信用創造による)投資が社会に貯蓄としてたまるのだ」という主張です。
貯蓄が経済規模を収縮させることは、ケインズによって明らかになったはずですが、日本ではいまだに清貧が美徳とされています。経済学の正しい常識を高校生に教えなければならないという著者の主張には賛成。その常識とは:平成不況の原因は貯蓄過剰/生活水準を上げれば給料が上がる/所得の平等性の確保には市場原理に対応する機構が存在しない(放っておけばどんどん不平等になる→行政の介入が必要)/税金はいくら高くても結局は国民に戻ってくる(政府は集めただけ全部使うので)/国民の1400兆円の金融資産の大半は、赤字国債が姿を変えたものである(1400兆円の金融資産があるからまだ国債発行余力があるというのは、話が逆)、など。
最後の、日本経済への処方箋の部分はちょっと議論が雑で残念です。
随所で竹中大臣を批判しているのが痛快。

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