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書籍名 『拒否できない日本』(アメリカの日本改造が進んでいる) [amazon.co.jp で検索]
出版社名 文芸春秋
著者名 関岡 英之
[001] 2005/11/19 23:37:05 三田 守久
 うーん、と思わずうなってしまう。

 全体の3/4がアメリカの出す『年次改革要望書』についての話、残りが自由だとか個人主義だとかを話題にして最後にアメリカ大批判をして終わり、という本でした。

 しかしこの『年次改革要望書』というのには頭にきますね。
 日本の「改革」の内容が、結局は、日本での実施の3年程度前にアメリカから『年次改革要望書』に記載された(ということはつまり要求された)ものと一致する、というのですからね。自分の頭で考えた「改革」ではないのも同然なのですね。ひとつひとつ書く気も起きなくなります。

 アメリカに頭にくる、というよりはわが国の為政者はなにをしているのだろう、という疑問を持ちますね。政治家も行政官も「国」や「国民」のことを考えてくれいるのでしょうか。

 『年次改革要望書』のことではないけれども、「日米構造協議」ということばを耳にした覚えがありますが、このことに関する記述にこういうものがあります。

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 そもそも「日米構造協議」という名称自体が日本側の苦心の意訳なのである。英語の原文はStructural Impediments Initiative(SII)となっており、正確には「構造障壁イニシアティブ」と訳すべきものである。アメリカが日本の市場に参入しようとする上で邪魔になる構造的な障害をアメリカ主導で取り除こう、という意味である。
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 日本側から考えれば、じぶんたちの見方があるので、かならずしも著者のいうようにに訳さねばならない、ということでもなかろうと思うが、それにしてもアメリカの考えているような内容をいかにして日本国民に知らせないようにするか、という点でかなり苦心したのではないかと察せられますね。

 やはり「依らしむべし知らしむべからず」ということでしょうかね。

 最後に「あこぎな競争に躍起となり、ひたすら勝つことばかりに血眼になっている浅ましきアメリカ人よ、いまよりもっと贅沢をしたいのか。これ以上いったい何を望むのか。もう、充分ではないか。わたしたちはつき合いきれない、放っておいてくれ。頼むからこの小さな惑星の静謐を掻き乱さないでくれ。」と、もっと執拗な対決すべきところを避けてしまって、そのうえで放り投げているあたりは著者の限界でしょうか。著書のなかで散々批判してきた連中のやりくちとちっとも変わらないではないか。



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