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書籍名 『日本絶賛語録』(新書) [amazon.co.jp で検索]
出版社名 小学館
著者名 村岡正明 編
[001] 2007/12/12 21:06:00 三田 守久
 帯にあるように「あなたの心を誇りと自信で満たす百十一の歴史証言集」とあるが、読むうちにたしかにそんな気持ちにさせてくれる。「あとがき」に、「ざっと六十人、寝十四冊、百十一テキスト」とあるように幅広く引用している。

 なかには読んだこともあるものも出てくるが、大半は書名程度で読んだわけではない。

 いい気持ちで最後までくると編者自身(村岡正明氏)のの文章になる。まあ「あとがき」に至るまではすべて引用だから「著者」というのは変かもしれないなあ。

 あとがきにはいると途端に雰囲気がおかしくなる。読んでいて気持ちが落ち着かない。

 「あとがき」が全部で25ページほどもあって、そこで編者・村岡正明氏の主張が展開されるわけだが、結局、かれは「反日的知識人」の典型なんだな。「庶民は善、権力者は悪」を延々と述べているのだな、この「あとがき」を使って。

 そういえば、短い「まえがき」のなかでも同じことが主張されていた。

 そういう目で眺め直してみると本文で引用されているものは、庶民が主人公になるようにバイアスをかけて利用しているのがよくわかる。この本全体がそういう「仕掛け」のもとに編集されている。気づかないうちに「反日的」な態度にもっていかれるようになっている。

 権力者つまり「お上」を散々に批判しながら、筑波大学の講師としても禄を食む、なんといやらしい。それなら国立の学校から報酬を受け取るな、と言いたくなる。

 「そもそも、お上は、明治初年の文部省・教部省設置以降、何をしてきたか?二千年以上もの長い時間をかけて暮らしの中で培養・発酵されてきた民衆的美風を蔑み、醇呼たる和のライフスタイルを時代遅れと愚弄し、弾圧、解体したのは、どこのどいつだったか?」(206ページ)

 激しく非難する。だが、結果論的な批判、非難になっていないか?

 しばらくあとに言い過ぎたと思ったか、「ただし、ここで慌ててお断りしておくが、編者は明治維新を『間違った革命』などと断罪して物議をかもそうと目論んでいるわけでは決してない。」と言い訳をする。ほかの選択肢を明らかにしているわけでもない。

 要するに、よく見かける大新聞、大出版社の「反日」的態度を貫いている、ということだな。

 せっかくのいい企画なのに残念なできあがりだ。「あとがき」は不要だった。

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