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書籍名 反貧困 [amazon.co.jp で検索]
出版社名 岩波新書
著者名 湯浅誠
[001] 2009/01/08 22:44:19 山田博英
日本の産業構造は下請け構造に見られるように垂直統合の構造を持っている。高度成長期にはビジネスが拡大するのでそこで必要とされる人も常に不足のため、その構造が有効に働いていた。ところが経済が縮小の道をたどることになると人があまりだすから首を切らなければならない。それをやりやすくしたのが派遣法とその改正である。そして縮小のため首を切られると、垂直統合構造でどこも首を切っているので行くところがなくなる。それは産業構造上少し考えれば明らかである。そのような行き場所のなくなる人々の状況に何とか歯止めをかけようと著者のような人ががんばってくれていることは一条の光と感じて頭が下がる。問題は産業構造にあるのだから、それを自己責任などといって処理することが社会を暗くしている様子が冷静に書かれている。ぜひ読んでいただきたい本である。
[002] 2009/02/02 16:42:06 三田 守久
 「年越し派遣村」ですっかり有名になった著者だが、派遣切り、期間工切りが激しくなってきたころからテレビにも結構頻繁に登場したりしていた。マイクを前にしても、かなりしっかりした発言をするし、ある意味もの馴れた感じだったので、どういう人物かなあなどと思いながらこの本を読んだ。

 主張としては、「貧困」は解決されなければならず、それは貧困に嵌ってしまった人びとの責任でもないし、しっかりと救済されなければならない、ということであろうか。

 いま流行の「自己責任」については、若干の言及はあるもののそこに本意はないように見える。

 まあ、たしかにそうかも、、、。貧困に陥ってしまった人びとに向かって、「自己責任あり」、ということもできないことはないようにも思うが、しかしそれは圧倒的に少数なのだろうかなあ、とも思えるし、どちらかといえばやはりまず「救われる」必要があるように思う。それに対しての行政の対応というか、世の中全般の仕組みがそれを支えるようにはできていいないことはたしかだろう。

 文中、「自分が死ねばこの子だけは施設で助けてもらえる」と発言する母親や、「死ねないから生きている」ということばには、それらがほんとうはどう語られたかはわからないが、暗い気持ちにさせられる。

 著者は、「反貧困」を旗印に今後も戦うのであろうが、しかし、では解決策としてはなにがあるのか、ということになるとそう具体性をもって提案、提起はしていない。簡単にことばに出せるものではないかもしれない。同調もできる。

 それにしても年末の派遣村には、たくさんの有名なかたがたがたずねていろいろ発言したようだが、ほとんどみんなもう忘れてしまったんだろうな。

 だれがたずねてなにを言ったのか、wikipediaで「年越し派遣村」を引くとわかる。しばらくはだれがなにを言ったかについて、覚えておくことにしよう。

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