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書籍名 日々是修行 [amazon.co.jp で検索]
出版社名 筑摩書房
著者名 佐々木 閑
[001] 2009/08/15 12:26:11 神谷英一郎
釈迦の教え(の本質)をわかりやすく説いたエッセイである。
2年にわたって朝日新聞に連載されていたので、ひとつやふたつは読んだ方も多いのではないか。
日本の仏教は大乗仏教であり、釈迦の本来の教えとは隔たったものである、釈迦の教えはむしろ小乗仏教によく保存されている(らしい)、という話はよく聞くが、では釈迦は何を説いたのか、を簡単に説明した本を私は(単に不勉強なので)読んだことがなかった。
この本によれば、釈迦は超越者や来世の存在を仮定せずに、自らの合理的な思索のみによって「いかに生きるべきか」を追求したのだ。
つまり、これは科学である。
この分野は最近になってやっと「脳科学」として多少の科学らしさを手に入れ始めているが、本質的には釈迦の時代からたいした進歩がない分野なので、釈迦の「学問的成果」はいまだに輝きを失っていない、ということなのだろう。事実、彼の見出した答えは、多くの人にもよき指針となって、変容を遂げながらも今日に至っている。

宗教は、人間の合理的理解を超える事象の説明を受け持つもので、科学の発展によって身近な事象の「説明責任」からは開放されつつあるが、科学による説明が適切ではない問題、例えば「なぜ、オレが子供を交通事故で失わなければならないのか」は、ことの本質からして宗教が受け持つ分野として残り続けるのであり、それを「合理的な思索」によって解決しようという仏教は、人類の希望であると感じたしだいである。
[002] 2010/10/31 13:59:08 山田博英
自分がどう存在するかについて「集中する」というミッションのために普段の生活に律という200にのぼる細かい日常生活規律をつくり、それさえ守っていればあとはすべて心の集中に時間を当てられる、このあり方はエンゲルバーとのAugmentation の考え方やルーマンのPure complexityの概念に共通するのではないかと思いました。チリで地下に閉じ込められた人たちが救出を待つ、というミッションのためにどのようにどのくらいいつ何を食べて生活するのか、極めて厳重な規則を作っていたようですが、これも仏教の律による空間と同じ空間なのではないでしょうか。自信がありませんが、ほんとにそうだといろいろなことがつながってくるのですが。
[003] 2010/10/31 14:02:58 山田博英
すみません、上の僕の書評のなかで「Pure complexity」とあるのは「Transparent complexity」の間違えです。

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